日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年1月29日「面白いことが言えない!」 その解決法とは?

 

「気の利いた話をしたいけどうまくできない・・・」
「面白いことを言わないと、と思うとプレッシャーを感じてしまい黙ってしまう・・・」


雑談などをしている時、こんなことを考えてうまく話せないということはありませんか?


私もこういう思いにとらわれたことがありました。


人を笑わせるような話でなくても、興味を持って聞いてもらえる話なら「面白い」と思ってもらえるでしょう。


今回は、雑談していて話に興味を持ってもらえない、ということについて、その原因と解決策を考えたいと思います。




★面白い話ができない原因 ~ よく話す人の場合


せっかく頑張って色々話しているのに他の人がつまらなそうに聞いている。


あなたにはこういう経験はありませんか?


たまにあるくらいなら良いでしょうが、こういうことがよくある、というのは困ったものです。


自分の話に「あっ、なるほど~」「えっ、そうなんだ!」といった反応があるとうれしいですよね。


積極的に話をしても良い反応が返ってこない。


こうしたことはなぜ起こるのでしょうか。




◎他の人が興味の持てない話をしている

大きな原因の一つは、他の人が興味を持てない自分勝手な話をしていることです。


私たちの話し方教室でも、話題を上手に選ぶことはとても大切ですよ、と伝えています。

雑談にもその場の雰囲気というものがあります。


どういう話題で盛り上がっているのか、話している人たちはどういうことに興味があるのか、どういう価値観を共有しているのか、など。


これらは雑談の場に集う人たちによって変わってきます。


こうしたことに配慮せずに、思いついたことをそのまま次から次に話してしまうと、他の人たちの意識とずれてしまい、話を聞いてもらえなくなります。


雑談だからどんな話をしてもいい、ということではないのです。


 

特に気をつけねばならないのは『自慢話』です。


自分の話ばかりする人は、自分でも意識せずに聞いている人に自慢話と思われてしまう話をしてしまいがちです。


自慢話はどういう場面でも、人に興味を持って聞いてもらえることは少ないです。


更に注意すべきことは、2度か3度自慢話をしたために、「あの人は口を開くと自慢話ばかりする」という印象を持たれてしまうことです。


それくらい自慢話は他の人に良くない印象を強く与えてしまうので、極力避けるべきです。




◎話が抽象的で分かりにくい

話に興味を持ってもらえない2つ目の原因は、話が抽象的で分かりにくいことです。


これは雑談に限ったことではありません。


私たちは『誰が、何を、いつ、どこで、何のために、どんな風に』などの具体的な情報を言わずに話してしまうことがよくあります。


話している本人は頭の中に具体的な情報もイメージも持っているので、自分がそれらを具体的に話しているか確認しにくいのです。


しかし、それらの情報をきちんと話さないと、聞き手は話が分からないしイメージもできません。


その結果、聞いている人は話を聞かなくなってしまうのです。


これは多くの人によくあることで、話し方教室でもスタートした頃の受講生のスピーチは、ほとんどが抽象的です。

このことが、話を面白くないものにしている大きな要因なのです。



★面白い話ができない原因 ~ 自分から余り話さない人の場合


さて、ここまで雑談で自分から話をするけれど、他の人から面白いと思ってもらえない場合についてお話してきました。


しかし、雑談の際、自分からはほとんど話さない人もいます。


そういう人も心の中では「面白いと思ってもらえる話がしたいなぁ」と思っているかも知れません。


では、なぜ話ができないのでしょうか。




◎話すネタがない

話ができない大きな原因は、話すネタがないことです。


野菜やお肉、調味料などの材料がないと料理はできません。


これと同じように、話も材料がなければ話せません。


当たり前のことと思われるでしょうが、驚くほど多くの人がこの事実に気付いません。


話せない、ということで思考停止になってしまっている人がとても多いのです。




◎話す勇気が持てない

そしてもう一つの大きな原因は、話す勇気が持てないことです。


雑談などで話さない人は黙っていることが習慣になってしまっています。


そのため、話そうとしても言葉が出てこず、話すことに少し恐さを感じてしまいます。


話さないので話す勇気が持てず、勇気が出ないので黙ったままになってしまう。


こうした悪循環に陥っている人も少なくありません。




★面白い話ができるために


では、面白い話、聞き手に興味を持ってもらえる話ができるようになるにはどうすれば良いのでしょうか。


ここからは、その解決法について述べていきます。


但し、こうすれば明日からすぐに面白い話ができるという特効薬のようなものは、残念ながらありません。


しばらく時間をかけて地道に努力することが必要ですので、この点、ご留意ください。


 
◎普段から話のネタを集める

1つ目は、普段から話のネタを集めることです。


先にも述べたように、話は材料が命です。


次々に面白い話をしている人でも、話しているうちに勝手にネタが頭に浮かんでくることはありません。


日常で経験したことや見聞きしたことで「あっ、面白いな」と心が動いたことをメモしたり記憶したりしているのです。


私たちは日常、様々な経験をしたり情報に接したりしていますが、そのほとんどを記憶に留めずスルーしています。


とても勿体ないことです。


 

心が動いた経験や情報があれば、それを記録しておきましょう。


記録するものはメモ帳でもいいですし、スマホなどのアプリを活用するのもいいでしょう。


ネットの情報などはブックマークしておくと手軽に集められて便利です。


そして、単にネタを集めるだけでなく、それについて自分の意見をつけておきましょう。


例えば、飲み過ぎて電車で乗り過ごし、タクシーで帰宅した、という経験をしたのなら、そうした事実とともに、外で飲む時はビール3杯までにしよう、などの意見をつけておくのです。


こうすることで、考える習慣もできるし、格段に話もしやすくなります。


 
◎話の組立を事前に考える

2つ目は、話の組立を考えておくことです。


話のネタがある程度集まれば、それらをもとに話ができるようになります。


しかし、せっかく話すなら、聞いている人により興味を持ってもらえる話し方をした方がよいでしょう。


例えば、


「息子の大学合格を祈って3千円のお守りを買いました。でも、息子は大学に不合格。お守りは当てになりませんね」


という話を


「息子の大学合格を祈って3千円のお守りを買いました。その後、息子は私に高価なお守りを買っても意味がないことを私に教えてくれました。大学に合格できなかったのです」


と話せば、聞き手は前者の話し方よりも興味を持って聞いてくれるでしょう。


このように、せっかくのネタを活かすために、話の構成や言い方を事前に考えておくと徐々に面白い話ができるようになります。




◎面白い話し方を真似る

3つ目は、人の面白い話を真似ることです。


面白いネタや話の組み立て方、言い回しなどは、他の人の話し方を真似るのが手っ取り早いし分かりやすいです。


明石家さんまさんなど、話が上手なお笑いタレントの話し方や言い回しなどを聞いていると、真似したくなるようなものがたくさんあります。


例えば、テレビで明石家さんまさんが「その話、嘘でしょ!」と言われた時、「嘘やない!・・・脚色や」と言っていました。


また、「よくそれだけ喋れますね」と言われて「これが俺の持ち味やからな」と返していました。


これを聞いて私は『脚色』や『持ち味』という言葉は、ちょっとおかしみがあって良い言葉だなぁ、と思いました。


それ以来、この二つの言葉をよく使うようになりました。


このように、面白いと思える人の話し方を真似るのは、とても効果があるし、楽しみながらできるのでお勧めです。




◎視点を変える

そして4つ目は、物事を見る視点を変えることです。


普段私たちがとらえる見方とは違う見方をすることで話はグッと面白くなります。


例えば、以前、テレビのコント番組でこんなシーンがありました。


Aの家に遊びに来た友達のBが腕時計をうっかり床に落とした時、


A「うわっ、大丈夫? 傷ついてない?」
B「ああ、多分大丈夫。ありがとう!」
A「ああ、無傷でよかった~。俺の家の床」


その後、観客は大爆笑でした。


このように焦点を当てる箇所や物事を見る視点を変えると、ウィットの効いた話ができます。




★楽しく雑談するために


さて、ここまで雑談で面白い話をすることに焦点を当てて話を進めてきましたが、最後に少し視点を変えた話をします。


私たちの話し方教室では、話には全て目的がある、ということを伝えています。


雑談にも目的があります。


それは良い人間関係を作るということです。


その場を良い雰囲気にしてお互いの関係を良好にすることが目的です。


この目的のためには、必ずしも積極的に話をする必要はありません。


むしろ相手の話を聞く方がとても大事なのです。


従って、話し方教室では、雑談では他の人に話をしてもらうようにしましょう、と伝えています。

相手の話を聞く際のポイントは次の2つです。




◎質問で相手に話してもらう

1つ目は、相手が話しやすいように質問で会話を進めることです。


良い人間関係を築くには、自分が話すよりも人に話してもらう方がよいのです。


なぜなら、人間は基本的に自分の話がしたいものだからです。


他の人が話をしたら、


「うわっ、それはたいへんだったね~。その時、どういう気持ちだったの?」
「なるほど~。そういう経験、他にもあるんじゃないの?」
「北海道に行ったの。いいなぁ。何が一番印象的だった?」


など、共感を示しながら質問をして相手に気持ちよく話してもらうようにしましょう。




◎相手の話を興味を持って楽しそうに聞く

そして2つ目は、相手の話を興味を持って楽しそうに聞くことです。


先に述べたように、人は自分の話をしたいのですから、その話を楽しそうに聞いてくれる人には間違いなく好感を持ちます。


それが良い人間関係作りに直結します。


興味を持って聞いていることを示すためには、うなずきながら聞きましょう。


また、適度に「ああ」「なるほど」「うん、うん」などのあいづちを打ちましょう。


このうなずきとあいづちは、会話をする上でとても強力な武器になります。


ぜひ意識して活用してください。


 

以上、相手に興味を持ってもらえる話をする事について述べてきました。


ぜひ一つでも良いので実行してより良い人間関係を作ってください。




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